非力と甘え

子供の頃の傷も、あやまちも。
君のせいじゃない。
周りの大人に非がある。
抗えない子供に、してはいけないことは山ほどある。

だけど、
大人になってからの暮らしぶりや自分の心の在り方は君自身のせいなんだよ。

だって、もういい大人なのだから。
大人には、子供以上に考え、理解する能力があるのだから。
君はそれだけのことを学んできたはずなのだから。
自分を幸せにできるのは自分だけ。

これまで親に甘え、底なしの優しさを受け取り、周囲に助けられているのを自覚しながら、
「いつでも死んでいいよ」
だなんて、簡単に言うな。
思ってもいいけど、決して口には出すな。
それは他でもない、負担なだけの甘えなんだよ。

甘ったれるのもいい加減にしなさい。
その言葉は暴力と同じだと気付きなさい。

罪悪感を言い訳に何を言ってもいいと勘違いしているのなら、思い上がりもいいところ。


引きこもりの君へ。
そんなことを思う。
怒りと、理解と、やるせなさと、悲しみを抱いて。

だから私は距離を取る。
私自身を守るために。
いらない傷を負わないために。
君を甘ったれ小僧にしたくないから。

非力と甘え

非力と甘え

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-18

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