いるもの

ここ数年、自分で自分が嫌になるほど私は嫌な人間やった。

義理の身内の無神経さにイライラして、何度も傷ついて。
そのうっぷんを晴らすかのように他人の粗探しをしたり。身勝手に当たり散らしたり。きっと、友達ですら引くくらいの悪口を心の中にためこんどった。
いつしか何事もマイナスに考えるようになっとった。

そんな、自分でもコントロールできへん感情の根っこにあったのはいつも「怒り」。
湧いたところで何もいいことないやん。
胸くそ悪いだけ。自分に幻滅してく一方やし。
そう思っとったけど。

そうやないよ。
怒りは、自分が求めとるものを知るために必要な感情なんやよ。
…そんな言葉に出会って。

ほんとその通りや!と、納得。

自分が心底求めとったもの。
ほしい生活。
幸せの色。
怒りの向こう側で、やっと見つけた。

時間がかかったけど、やっと今、確実に、そこへ近づき始めとる。

いるもの

いるもの

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-18

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