星空のお手紙
僕が君にあげたそのあめ玉と、君が僕にくれたあめ玉と、
どちらのほうが、価値があるかな?
僕が君にもらったこのあめ玉は、いったいどこで見付けだしたの?
僕は、そのあめ玉を1週間もかけて見つけ出したんだ。
君が僕にかける時間と、僕が君にかける時間と、
どちらの比重が大きいかな?
別に、恨んでるわけじゃないよ?怒ってるわけじゃないよ。
そうじゃなくて、さ。君は、君の心は果たして
僕のどんなところが好きなのかと思ってさ。
特に、好きな部位なんてないんだろう?
・・・分かってる。いつだって、分かってるんだ。
君が僕をただの通りすがりの人のように思ってることも、
君と僕との間に愛なんて存在しないと感じていることも。
けれども、もうね、引き返せないんだよ。
それなのにまだ、君は逃げ道を求めて走り回るんだね?
僕が、どんなに汚染されたとしても、僕は
ちっとも気にならないよ。
僕は僕を大切にするということが分からないのだから。
でも君が僕の体に触れてきた時、分かったよ。
人間には、命が宿ってるんだって。だから、とても温かいんだって。
星を見ようと言ったね?沢山、たくさんの星。
もう、実現させることはできないけれど。けれど、
嬉しかったよ。
僕と、星を見ようと言ってくれて。
僕が隣にいてもいいんだと感じて。
シンジツってどんななんだろうね。
僕は僕の感覚さえもう、信じきれないよ。
君の声が、聞きたいよ。
真実の、君の声。
どんなに周囲に疎まれたって打たれたって、
決して曲がることのない君の声。
君の心は、今でもきっと棘が刺さったまま。
早く、誰かに助けて貰えるといいね。
そうして気が向いたら、僕の傍まで、寄りにおいでよ。
さようなら。さようなら。さようなら。
さようなら。さようなら。さようなら。
僕は、先まで行ってるよ。
1人は、寂しいけど。
星空のお手紙