【超短編小説】リッチマン

六井 象

 偶然通りかかった自販機のガラスケースの中には、女の首が一つ納められていた。
 首の下にはコインを入れる穴と、何も書かれていない大きなボタンがあるだけだった。
 財布の中にあった小銭をすべて入れ、ボタンを押すと、女の首がガラス越しに小さく笑った。
 家に帰ると、玄関のドアに、女の脚が一本立てかけられていた。

【超短編小説】リッチマン

【超短編小説】リッチマン

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-08-16

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