エーテル

空にのぼろうとしたけれど
空はのぼれるほど近くはなくて

空がわたしを見下ろすたびに
わたしが空を見下ろしたいとおもい

両手で雲を手繰り寄せようとしても
空に着くための手綱にはならなくて

掴むことなんてできるはずがなくて
茫然とただ立ち尽くすしかなかった

そんなあの頃のおもいでを
おとつい逢ったあなたとの時間に投影していた

宇宙になりたかった

エーテル

エーテル

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-15

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