川の中

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川の中

昨晩からの雨で近所の川は氾濫しそうだった
私は子供の頃一回だけ行った事があった、ある田舎の川を思い出して居た。

私は小学2年生。今日から家族でキャンプをしに郊外にあるキャンプ場に行った。

キャンプ場は混んでいる様子も無く静かだった。

我が家は父と姉と弟の4人で来ていた。母は看護師で休みは取れ無かった。

いつも私は姉と弟で遊ぶのだ。
そして今日は西瓜を川で冷やす為に近くの川まで歩いた。

川では蝉が鳴いていて日曜日の真夏の10時、既に太陽が照り返し暑かった。
川は少しだけ涼しい。

姉と私は川の石で囲いを作り西瓜を浮かべた。
川の水は澄んでいてとても冷たい。

弟と私は川の中に沢蟹が居るかどうか暫くしゃがんで覗いた。

石と石の間や下に住んでいる沢蟹を探して少し大きめの石を動かしたりしてみた。
石を動かしていたら水は少し濁り中ははっきりと映らない。

あっ! 沢蟹だ!

一匹の沢蟹が居た。
弟は何処ー?と声を出して居た。

私は急いで捕まえようとしたのも束の間逃げられた。
澄んだ川に居る沢蟹は逃げ足が速い。

私は姉に未だ父の所に戻らないで暫くこの川に居ようと言うが姉に促されて父の元へ急ぐ。

父に沢蟹の話をした。父はただ、そうか、と頷いていた。

私は近くの川を覗き込む。
そして川の中が濁っているのを、あの4人でキャンプに行った時の川の沢蟹の事を思い出して居た。

足早に通勤バスに乗り込んだ。
朝のバスの中は何時も座れないで駅まで立って居る。

今日から8月かぁ。
私は心の中であの夏のキャンプの時の事を思い出して居た。

駅に着き改札を通る。
そして職場に着いて仕事に向かう。

今度の休み、彼と山の川に行ってみよう。
ふとあの夏の蝉の鳴き声が聞こえて来る様だった。

川の中

川の中

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-08-12

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