帰路

夕陽が、憎いほど存在感を放っていた
下書きに使ったルーズリーフを紙飛行機にして、
正門目掛けて飛ばす
頼りない軌道を描いてすぐに墜落してしまった
頼りない機体を拾い上げると
なんだか自分が、とても情けないように思えてくる
くしゃくしゃに丸めて、次は夕陽を目掛けて投げる
なにを、届けたかったんだろう
肝心なそれがはっきりしないのに
届けたかったという事実だけが
いつまでも脳裏にこびりついている
届けたかったのに
届いて、ほしかったのになぁ

帰路

帰路

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-10

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