よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート16

R. A.

こんにちは。R. A.です


このアカウントでは株式会社コーエーテクモゲームス・ガストブランドさんによるゲーム作品『よるのないくに』シリーズの最新作をイメージした小説を公開していきます


金曜日18時15分前後の時間に作品を投稿します(その週に更新できない場合、次の週以降に更新) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です。完結後、全てを一つにまとめた完全版を公開します


元はこちらのアカウント(Knights of Nights: https://slib.net/a/23712/)で途中まで公開していたものを他アカウントで続けて更新していくという形になります。元のアカウントでの更新は未定ですのでご注意ください


よければ最後までお付き合いくださいませ♪


パート1: https://slib.net/93193
パート17: https://slib.net/93594

第1章: 邪なる力、その身に宿して

 ひとまず、得られた情報を整理してみよう。教皇様の話によると、ここはとある妖魔によって建てられた遺跡。内部を見る限り、それほど古くはない。その最奥の部屋に刀が刺さっていた。近くの石碑には、災厄が来たのでこの刀をここにおさめた、力のある人物だけがこれを抜くことができると書いてある。ということは…。
「妖魔が、人に、この刀を抜いて、その災厄とやらを鎮めることを仕向けている…ってとこか」
 と、いかにも名推理をしたかのような私だが、改めて冷静になって考えてみると、色々とおかしい点があることがわかる。そもそも、妖魔というのは私の推理とは真逆で、人に厄災をもたらす存在である。そんな妖魔が、わざわざ災いが起きたことを人間たちに教え、かつ遠回しにでも助けを求めているというのは、変な話じゃないか。
「リンは、どう思う? 妖魔が人に、助けを乞うていると思うか?」
 話を聞いていたリンは、私と同じことを考えていたようで、人差し指を顎に当てて少し思案し、そして口を開いた。
「うーん…今のところはまだはっきりとはわからないけど…」
 リンは、地面に刺さった黒柄の長刀を見つめる。
「人間と協調する、仲の良い妖魔も、中にはいるのかも……」
 言い終わったあと、本当にわからないといった様子で、リンはもう一度首を傾げた。
「人と協調する、仲の良い妖魔ねぇ…」
 私は黒い刀に近づきながら、さっぱりわからないと、リンと同じように首を傾げた。
「でも、なにがどうあれ、この刀は教皇庁へ持って帰らないといけないな。調査の唯一の証拠物品だ」
 と、特に何も考えずに刀を引き抜こうとしたところ、「待って、アネ」とリンが制止してきた。
「それを引き抜いちゃうと……『選ばれちゃう』んじゃない? あなたが」
「選ばれる? この石碑に書いてあることが本当だと? …まさかね。妖魔は人に仇なす存在なのは、リンももちろん知っているだろう? なのに、こんな風に助力を求めてくるようなことをしてくると思う?」
「それはそうだけど…でもだったらこんなふうに石碑を置いておかないでしょう。ちゃんと理由があるはずだわ」
「ただの妖魔の脅し文句だよ。そこらのエセ者に簡単には引き抜いて欲しくなくて、こんなことを書いているんだ。こういうことを書いて、誰が、どんなやつが抜くか、どこかで隠れ見て楽しんでいるんだよ。そういうことなら、なおのこと引き抜きたくなるね。ほら、こういうやつが抜いてやったぞと。そうは思わないか?」
「…本当にそうかしらね。危ないことでないといいけれど…」
 リンはいまだに渋っていたが、ここで迷っていても仕方ない。何かしらの調査の成果を持って帰らなければ、こちらの体裁が汚れる。ここは引き抜くしかないと、私は決心した。

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート16

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よるのないくに 公式サイト → https://social.gust.co.jp/yorukuni/

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート16

『よるのないくに』最新作をイメージした小説です。金曜日18時15分前後の時間に作品を投稿します(その週に更新できない場合、次の週以降に更新) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です

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更新日
登録日 2019-08-09

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