ぶっ飛ばす。

yuki.y

暑い……。早朝に目が覚めた。
ちくしょうっ!
朝焼けが綺麗過ぎて空をぶっ飛ばした。

もうひと眠り……。寝過ごした。
ちくしょうっ!
太陽が差し込む部屋をぶっ飛ばした。

あっ夢……。嫌な夢をみた気がする。
ちくしょうっ!
忘れた夢の残像をぶっ飛ばした。

ぶっ飛ばしたい形のないものに、いつも右手の拳は空を切る。嫌な思いの持って行き場はどこにある? どこにもない。

もし本当にぶっ飛ばして粉々にしてしまうことができたなら、

もし本当に全部を火で燃やして灰にしてしまうことができたなら、

もし本当に誰かに吐き出してしまうことができたなら、

今日も酷暑は続く……。
ちくしょうっ!
大嫌いな夏をぶっ飛ばす。

右手の拳が痕なく疼いている。

ぶっ飛ばす。

ぶっ飛ばす。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
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