仮の永眠
短歌十首
終結が弾く短調のプレリュード
手札の秘蹟
ビードロの嘘
いのち鋳る
鉛 引き摺り 書くこの身
露雨ごとき仮の幻
「頑張ろう!」
「清く!正しく!美しく!」
小石を積む日
物憂いほとり
ケチャップ
の意識
は仮
の永眠
へ
暗いスイッチ しょぼい錠剤
セラミックの雨が降る夜の殲滅 ヒューマノイドが踊る廃墟で
遠い眼は
僕じゃない朝を生むのか
「透視する海、感じていたい」
賭けに死に
並べ、笑うさ
雨ざらし 僕の骸と君の哀哭
足音が小さくゆがみ駆けぬけた
すべてがとじる 青いフィルムで
「あの夏だけがほんとうだったわ。失うことがほんとうだもん」
仮の永眠
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich