通過 交差点

 誰かが泣いていたような気がした
 僕はそこで 信じてみたい気もする
 振り返る 勇気さえあれば
 きっと 声は届いてた?

 別れと出会いの中で 僕等は何処へと旅発つの?
 永遠なんて永遠にないなんて
 気付いたのは ずっとこの先

 誰かの声が響いているような
 どうして そう 思ったのだろう
 それは 単なる 僕の願いだと
 振り返りはしなかったけど

 たくさんの生命が交差して
 僕等は たまたま そこを通り過ぎるだけ
 いつか そう繰り返しながら

誰かが その一人が

 立ち止まり 耳を澄ます
 ふいに涙が毀れる
 気付き 僕は振り返る
 心傷む 涙した

 『僕たちは ここにいるよ』
 『ここで生きているんだよ』

通過 交差点

通過 交差点

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-05

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