よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート12

こんにちは。R. A.です


このアカウントでは株式会社コーエーテクモゲームス・ガストブランドさんによるゲーム作品『よるのないくに』シリーズの最新作をイメージした小説を公開していきます


毎日18時15分前後の時間に作品を投稿します。(パート16より、金曜日のみの更新にします) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です。完結後、全てを一つにまとめた完全版を公開します


元はこちらのアカウント(Knights of Nights: https://slib.net/a/23712/)で途中まで公開していたものを他アカウントで続けて更新していくという形になります。元のアカウントでの更新は未定ですのでご注意ください


よければ最後までお付き合いくださいませ♪


パート1: https://slib.net/93193
パート13: https://slib.net/93389

第1章: 邪なる力、その身に宿して

(私が頭に一撃入れなきゃ始まらないか…)
 やはり、この辺りの邪妖となると一筋縄ではいかない。リンの攻撃で何か変わるかと思ったが、彼女のものでは威力が低すぎる。もっと威力の高い攻撃を仕掛ける必要があった。それには、私の刀の一撃を、あいつの頭か足の裏に加えることが必須だった。
 そのためには、頭には届かないのでどうしても片足のどちらかを上げさせなければならなかった。
 私を踏みつけるために少し上げていた足は再び下げられ、岩人はリンを狙うことにしたようだ。邪妖の知性は低い、狙いようは単純だ、攻撃されたほうを優先する。足をもう一度上げさせるためには、リンに攻撃を控えてもらわなければならない。
「リン、ちょっと攻撃の手を止めて!あいつの足を上げさせる!」
 そう叫びつつ、リンのほうへ進もうとする岩人の目の前で阻止するように仁王立ちして、そしてもう一度、今度は強めに峰打ちした。
 岩人は、今度は立ち止まらない。こんな時に限って、と思ったが、諦めず再び数度峰打ちする。
 ようやく巨体に響いたのか、岩人はそれで私のほうへと注意を向けてくれたようだった。
「よし、足を上げろ!」
 あとは岩人次第だ。私は、少し鼓動を感じるくらいどきどきしていたけれど、神妙な面持ちで冷静を装って、次の攻撃を待った。
 岩人は——ゆっくりと足を持ち上げた!成功だ。
 足の裏が少しづつ露わになる。ぼんやりと、地面に青く輝いているのが反射して見える。そして——。
「今だ! リン! 私が行った後、追撃を頼む!」
「…足ね! 分かったわ」
 リンがそう言うだけで察してくれたのが助かった。私は、足の裏の青く光る亀裂が完全に見えるようになった時、岩人に向かって突っ走った。
 そして、低い体勢で上げられた足の下に入り、刀を振り上げて、そのまま奥へとスライディングするようにすり抜けた。
 見えなかったが、その後、背後で小さな破裂音がこだまする。リンの魔法球も、足の亀裂に無事ぶつかったようだった。
 滑り込みを終え、体勢を立て直した私が背後に振り向くと、
「アネ、危ない! 倒れる!」
 そうリンの声が聞こえ、岩人が私めがけて倒れてくるのが見えた。
「!」
 ガガガン!! ものすごい音を立てて、岩人が石床に倒れる。なんとか走って押しつぶされることは避けられた。倒れた岩人を見ると、どうにかして起き上がろうとしているのがわかったが、しばらくそのままの状態で立てないでいるようだ。これは、大チャンスだ。
「これで終わらせるぞ!」
 私は青く光る頭部に走りよる。そして、刀を振り上げ、思い切り岩人の頭に刀を刺しこんだ。それも何度も、何度も。
 うまく溢れ出る蒼い血を躱しながら刺しこみ続けていると、次第に岩人の青い輝きが薄れていき、そして消えた。
「倒した…のか?」
 実感は湧かなかったが、もうその岩の巨像は動かない。本当に倒したのかどうか確認するために、もう一度岩人の身体を峰でこつこつと叩こうと思って近づくと、その途端にその石の身体は溶けていくように黒く消滅していった。
 倒したことを今ようやく実感すると、その瞬間身体から一気に力が抜けた。刀を杖代わりにして立とうとしても叶わず、刀を握ったままゆるゆると地面に尻餅をついた。
「よかった…勝てたね」
 リンが話しかけてきながら近づいてくる。見ると、彼女もよっぽど疲弊しているようだった。魔法球を何度も撃つのも楽ではないし、私の指示に従いつつ、動くのも疲れるだろう。
「君と戦った時はいつも思うけど、ここまで楽に勝てるのも、リンの支援のおかげだ。私の指示に従って動いてくれてありがとう。一人で戦っていたら、これの倍は疲れていただろう」
「それは違うよ、アネ。こちらこそあなたの力強い攻撃があってこそだよ、アネがいなければ、倒すことすらままならなかったかもしれない」
「まぁ…お互い様ってとこか」
 私は小さく笑って、地面に落ちた腰をゆっくりと持ち上げる。こりゃ、帰ったら、身体全体が痛くなるパターンだな。任務が終わったらしっかり休養を取らなきゃな…。
「よし、じゃあこれ以上余韻に浸ってても意味ないし、進むとするか」
「うん」
 そして私たちは、止まっていた歩を進めた。

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート12

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よるのないくに 公式サイト → https://social.gust.co.jp/yorukuni/

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート12

『よるのないくに』最新作をイメージした小説です。毎日18時15分前後の時間に作品を投稿します。(パート16より、金曜日のみの更新にします) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です

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