22日のオキザリス
薄荷色の爪先が
カタバミを蹴とばした
間に合うように
薄紫色を探しに行こう
つぼみのかたちを知らないけれど
ムクゲの白は胸を衝く
勘違いをしていたみたいだ
真っ当に夢見たつもりでさ
茹だったままの理想論じゃ
今頃太陽を追い越している
辛いも悲しいもないんだね
塵にもならないことばには
裏切られたんだと嘆くにも
どうにも愛想が足りてない
熱帯夜に沈んだ影を見捨てたことを
知っているのは今朝の逃げ水だけだ
水中には程遠い、
耳鳴りがゆらぎが止まないんだ
まとわりついた湿度の中で
深呼吸の仕方を教えてくれよ
そろそろと
追いかけてくる
黒い時間がやってくる
逃げ出そう
間に合うように
薄紫色をつかまえて
逃げよう
22日のオキザリス