よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート10

こんにちは。R. A.です


このアカウントでは株式会社コーエーテクモゲームス・ガストブランドさんによるゲーム作品『よるのないくに』シリーズの最新作をイメージした小説を公開していきます


毎日18時15分前後の時間に作品を投稿します。(パート16より、金曜日のみの更新にします) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です。完結後、全てを一つにまとめた完全版を公開します


元はこちらのアカウント(Knights of Nights: https://slib.net/a/23712/)で途中まで公開していたものを他アカウントで続けて更新していくという形になります。元のアカウントでの更新は未定ですのでご注意ください


よければ最後までお付き合いくださいませ♪


パート1: https://slib.net/93193
パート11: https://slib.net/93365

第1章: 邪なる力、その身に宿して

 今度は逆に鬼火を追撃した。刀を脇差しに構え、突風の如く疾走した。鬼火に肉薄し、走る勢いを殺さぬまま、両手から刀へ力を移動させる。
「これを…喰らえっ!」
 そして、まるで遠い西方の国の、噂にだけ聞く首断の処刑台の如く、刀を渾身の勢いで降り下ろした。
シュー…
 先ほどリンが魔法球で倒した時は距離が遠かったので分からなかったが、近くで改めて聞くと、まるで何かが蒸発していくかのような奇妙な音を立てて鬼火は消滅していった。よし、いい調子、あと二体だ。しかもその両方とも、あと一撃で沈められるところまできた。あとは一気に攻めていってもいいかもしれない。
 と、戦いの終わりがちょうど見えてきたところだったが、私は、会心の笑みをこぼす前に、すぐさま後ろに転がって回避した。なぜなら、先ほどまで立っていたその場所に、今まさに重量級の両腕の一撃が勢いよく繰り出されたからである。
 何者の急襲か。それは、今まで放っておいた巨大な岩人の、重々しい一撃だった。先ほど視界の端、しかも距離的にもかなり近い位置に岩人を捉え、警戒していたのだった。それは功を奏し、私は無事、なんとか一撃を避わすことができた。
「こいつもいたな…」
 遅いからといって放置していたが、鬼火と戦っている間、十数分かの時間が経過し、もうかなりの距離まで近づいてきている。短期決戦を仕掛けないと、鬼火との距離はさらに縮まり、こちらが戦いにくく、また不利になってしまう。もっと急がないと…。
「リン!私が巨人を引き付けておくから鬼火の駆除を頼む!」
 リンと岩人との距離はまだそれなりにある。あちらは彼女に任せて、私は岩人に集中するのが得策だろうと思えた。鬼火はあと全て一撃ほどで沈められるし、私よりはいくぶんか火力の低い彼女でも大丈夫だろう。それに、岩人は遅いが決して進んでいないわけではない。ここで私が進行を食い止める必要もあった。
「さて…どこから狙おうか」
 私は改めて岩人をひと睨みする。見るからに岩人の体は強固そうで、私の持っている薄く細い刀で切り裂こうとすれば、火花が散って刃こぼれするどころか折れてしまいそうだ。むやみやたらに狙いもつけず切ることはできない。私は弱点を見極めた。幸い、動きは遅いから、ある程度はじっと見ていられる。
「やはり、頭か」
 頭の、人で言うと両目にあたる部分が青白く薄光りしている。蒼血がたんまりと溜まっている部分、そして体の中で一番脆い部分と見て間違いなさそうだが、いかんせん岩人のその体躯は私の二倍以上もある。飛びかかって切ろうとしてもなかなか届きそうにない。
 次に足元を見た。何か転ばせる手段でもあればいいが、ぱっと見た感じは足元に弱点らしきものはない。普通に攻撃すれば弾かれてしまう。私だけでは手も足も出ない状況だった。
(だったら、リンが倒すまで牽制か)

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート10

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よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート10

『よるのないくに』最新作をイメージした小説です。毎日18時15分前後の時間に作品を投稿します。(パート16より、金曜日のみの更新にします) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です

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更新日
登録日 2019-08-03

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