河童

嘘つき蛙は黙ったまま
嘘つき蛙は赴くまま

影に潜み陽を食べて
つまらない回答に恋い焦がれ

明日を渦の中へ投げていく
変わり身は月に次に
砂なんて最初からなかったと
笑えてしまえればよかったのに

変わらないならこっちにおいでと
言える愚かさならどんなに良かったか

貫くのは何がいいかと夜に迷い迷い
嘘つき蛙を飲み干した
足の生えない月の光

怖いのは何が悪いかと夜に迷い迷い
嘘つき童話を切り裂いた
足の見えない陽の光

河童

河童

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-08-03

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