廊下の女の子

バンプ

 これは小学生の頃、僕の担任の先生がしてくれた話です。
 夏休みも近いということで先生はHRの時間を使って、怪談を披露してくれました。
 それは先生が見回りをしていた時の話だと言います。僕の学校は夜は警備員が見回りますが、夕方では生徒が残っていないよう日代わりで先生が見回りをすることになっていたのです。
「誰もいない学校のはずなんだけどな。誰かが走り回っている音がするんだよ。足音がした教室に入ってみると、窓の外に女の子がいるんだ。『どうしたんだ?』って聞くと、いきなり女の子はドンドンと窓を叩き始めた! そこではっとしたんだ。俺がいたのは三階だったってね」
 キャーとクラスメートの女子たちは大げさに声をあげます。みんな作り話だと感じていましたが、それでも教室は大はしゃぎでした。
 かくゆう僕も怪談は好きでしたから、また機会があれば聞きたいと思いました。
 翌日のこと、朝早く登校した僕は、一番乗りで学校に着きました。先生にまた怪談を話して欲しかったのです。教室に着くと、先生はすでに教室にいました。
 駆け寄って、「先生、昨日みたいな怪談を話してください!」と頼むと、「ああ……」と歯切れ悪く返事が返ってきました。見ると先生の顔色は悪く、何かがあったのだろうと思わせました。
「どうかしたんですか?」「……聞いてくれるか?」
 先生は重たい口を動かし始めました。
「昨日先生は見回りをしていたんだけどな、足音がするんだよ」
「またその話ですかぁ?」と茶化しても、先生は聞く耳持たず続けます。
「それで足音を辿ったら、廊下に女の子が居たんだ。『おい、何してるんだ。ここに居ちゃだめだろ』って言うとな。女の子は振り返って言ったんだ。『ここに居ちゃいけない?』」

「『お前がここに呼んだんだろ』」

 僕はあの時、背筋が凍ったのを今でも覚えています。

廊下の女の子

廊下の女の子

  • 小説
  • 掌編
  • ホラー
  • 全年齢対象
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