クローバーと夏
四つ葉のクローバーをさがしてるの
ずっとひとりでさがしてるの
四つ葉のクローバーは、それは綺麗なかたちをしていて
うっとりするわ
こんなに広いところで
こんなにクローバーが拡がってるところで
もし四つ葉が、ひとつだけ生えているとしたら
わたしはその子を引っこ抜いて
家に持ち帰るなんてことはしないわ
こんなに広いところでひとり闘ってきたことを
孤高なんて言葉でまとめたりしないわ
もしあなたがまわりから相手にされていないのなら
わたしはあなた以外のクローバーを
端から端まで説得するなんてことはしないわ
あなたと、ただお話がしたいだけなの
初夏の公園、杏色の夕焼けの下でわたしは
きょうも四つ葉のクローバーをさがしている
クローバーと夏