きっと、歌を拾いました
きっと、歌を拾いました。
夏の面影がまだ足跡を刻まずに。
名前を呼びたい。名前を名づけたい。わたしが決めたもの。わたしによって尊いもの。
迷い続けるわたしの零れを、受け浸してくれるもの。
名前を呼ばれたい。名前を名づけられたい。わたしを選んでくれたもの。
わたしがそこへ行きたいもの。そのために生き延べてゆきたいもの。
主旋律は美しくなくていい。寂しくていい。
むしろそれはわたしによって、遂げられるものであってほしい。
救いでなくていい。救われなさでもいい。
だけどわたしは救いたい。おこがましくても、わたしがかなえたい。
もうすぐわたしが見えますか。わたしを得てくれますか。迎えてくれますか。
きっと、歌を拾いました。
冬の木漏れ日に、ひとを映し続けました。
きっと、歌を拾いました
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