よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート7

こんにちは。R. A.です


このアカウントでは株式会社コーエーテクモゲームス・ガストブランドさんによるゲーム作品『よるのないくに』シリーズの最新作をイメージした小説を公開していきます


毎日18時15分前後の時間に作品を投稿します。(パート16より、金曜日のみの更新にします) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です。完結後、全てを一つにまとめた完全版を公開します


元はこちらのアカウント(Knights of Nights: https://slib.net/a/23712/)で途中まで公開していたものを他アカウントで続けて更新していくという形になります。元のアカウントでの更新は未定ですのでご注意ください


よければ最後までお付き合いくださいませ♪


パート1: https://slib.net/93193
パート8: https://slib.net/93319

第1章: 邪なる力、その身に宿して

「そんなに暗くないよね。どこかから光りが入っているのかな」
 リンがそう言って歩きながらあたりを見渡す。私も改めて見てみるが、確かに遺跡には蝋燭(ろうそく)もないのに、あたりは薄暗く、視界もなんとか問題ないくらいに明るかった。どこからか、外の月明かりが漏れて入ってきているのかもしれないが、遺跡の壁にひび割れなどはない。ではどこかに小窓があるのかと思って探してみると、壁と天井に石を四角く抜いた窓が一定間隔で設けられていた。ちょっと立ち止まって見てみると、窓からは外からも見えた満月を見ることができた。
「今日は月が綺麗だよね…任務を忘れて見いっちゃいそう」
 リンがうっとりとした声の調子で言う。
「そうだね。でも月は『狂気』を意味することもあるからなぁ。何か悪いことが起きないといいけれど…」
「心配はいらないよ、アネ。今回はこの遺跡の調査だけで終わりでしょう。それより、久しぶりに再会したんだから、この任務が終わってからどこかへ行きましょう?二人で休暇をとって、紅葉(こうよう)を見に行ったり…どう?私たちの住む日の本の国は紅葉(こうよう)する木が西の国より多くて、美しいんだって」
「そうなのか、知らなかったな。よし、任務が終わったら一緒に行こう。絶対に。約束だ」
 私たちはそう言って指を切り合った。
 ――と、その時。
「んっ…!この気配…!」
 私は咄嗟に腰元にある刀の柄に手をやった。
 そして刀を引き抜きつつ、後ろを確認するため、瞬時に背後へ振り返ると、案の上、廊下道の左端の壁近くに邪妖たちが数匹現れていた。
「来たな!リン、戦うぞ」
「うん、サポートするよ、アネ」
 リンにそう言ってから、私は状況把握に努める。中型の、遺跡と同じ石でできたような岩人の邪妖と、浮かぶ魂火(たましび)のような、昔話に出てくるおばけの鬼火のような邪妖が数匹いる。この数と体の大きさで、この廊下道の広さなら、戦いにくい状況に陥ることもないだろう。特段手こずるような相手でもなさそうだった。
 だが教皇庁に向かう途中、一人で戦っていた時のように、突撃するのはご法度だ。あの時戦っていた最下級の邪妖よりは力のある邪妖なので、多少は様子見をしながら戦う必要があった。もし私が、噂に聞く人間と邪妖の異端者、半妖でもあるなら話は別だが、ただの人間である以上、繰り出せる力と倒すことができる邪妖には限度がある。それをわきまえて、戦わなければならなかった。
 そこで私は、ひとまず移動が遅く、比較的耐久力のありそうな岩人の邪妖は無視して、動きが早く、すぐに沈められそうな鬼火に目を向けた。
「小さいのから倒そう。それから、あの岩の奴だ」
「うん」
 私はそう言いつつも、まだ動かない。相手の攻撃を誘う戦法でいくことにしたのだ。

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート7

よるのないくに2 〜新月の花嫁〜 公式サイト → https://social.gust.co.jp/shiroyuri/
よるのないくに 公式サイト → https://social.gust.co.jp/yorukuni/

よるのないくに3 〜翳ゆ月明の神巫(かんなぎ)〜 パート7

『よるのないくに』最新作をイメージした小説です。毎日18時15分前後の時間に作品を投稿します。(パート16より、金曜日のみの更新にします) 投稿される作品は1パートあたり1300文字ほどの比較的短いものです。それを数十〜数百パート程度書いて物語を完結させる予定です

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-07-31

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work