気になること・2
人は社会に流布されている事柄から影響を受ける。
世界に関する物の見方についても、それは同様である。
数年前だったか、何かのTV番組についてのCMで、おいおい、と思うような<世界に関する物の見方>が披瀝されていた。
かなり、うろ覚えになってしまうのだが、いわく、<さまざまな業界や世界には、頂点に君臨するようなトップと、トップと同様のことを模倣するだけのフォロワーと、人とは違うことをする変わり者の少数派しか存在しない>のだそうだ。
冗談っぽく扱われてはいたが、何も無いところからこんな考えが生まれいずるはずもないので、どこかの誰かがそういった考えを、さも世界に関するまっとうなものの見方のように流布しているということが考えられる。
もちろん、賢明な読者の方には上記の物の見方がまっとうでないことはお分かりいただけると思うのだが、問題は、こういった考えを真に受けて刷り込まれてしまった人たちの中からは、社会にイノベーションをもたらすことのできるような人間はなかなか輩出されないであろう、ということである。
<了>
気になること・2