半分がなかった日々

半分がなかった日々

   









半分の光景を失っていた

「半分だけ現像した写真」を残して



「半分だけ現像した写真」は

わたしをどこかへ置き去って、無くして、偽って



決して本当へと歩み寄る陽射しはないだろう


いつか、その半分が、本当が、陽射していたことも忘れ去る



「半分だけ現像した写真」

あなたを留めないまま

あなたに告げず

終わりを書いた



「半分だけ現像した写真」には

わたしの半分がなかった日々の形見が、あなたに残る。





  

半分がなかった日々

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

半分がなかった日々

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-26

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