生きようとしなくていい

生きようとしなくていい

   








生きようとしなくていい。こんな朝でも、来て欲しくないひとはいるのよ、たぶん。



駆け抜けたくはないけれど、ふわふわを装って皮肉。なんにも知らない。それなのに行き先に生動感。誰かが教えてくれたわけではないけれど。

なにかが見えていたことを知っても、決して誰にも言わない。理解されようともしないカタルシス。

屋上が空に一番近いなら。

空に一番近いのが悲しみなら。

漠然と愛せるものならば。

小さな決心を守れるものなら。

それでもまだ弱くても、愛するゆえの弱さなんだって思い返せるなら。



さみしいと感じたから、まだ誰かを感じていた。



薄いブルー。まだ足元が脆弱で。脆さすらも広さをどこまでも知らなくて。なのに行き先がおおよそ想像できる限りには見えすぎてしまって。



生きようとしなくていい。こんな朝でも、あこがれてしまう美しさだなんて。





  

生きようとしなくていい

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

生きようとしなくていい

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-24

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