夢想人
夢の続きは瞼の奥に…
また会えるかな?
それまでの身体の紐は解け
眩しくなって我が身に還る…
目覚めたばかりの頭ん中は
夢の続きを思い出す、
身体だけ現実に
意識を思う夢の途中、
夢の中に人の群れ
どこの誰か知らぬ人たち、
人懐こい優しい素ぶりで
ぼくに笑顔で語りかけ、
このまま眠り続けたいと
現実には無い光景、
その中でただ一人
現実と変わらぬ人が居た、
笑顔は見せずにつっけんどん
顎を突き上げ上から目線、
笑うは苦笑いの時だけで
人を小馬鹿しネタに話す、
わたしが一番偉い人
自分だけが強い人、
不快というより不思議な人
話も終わり別れ際、
気が緩んで疲れたのか
最後に笑って涙した、
本当の自分を最後の最後に
ぼくだけに曝け出し、
背中を向けて消え去った
陽が落ちる影が長かった、
所分からず何処の誰?
夢だからこそ見えた人、
またくだらない一日が始まる前
夕陽の背中と笑顔の涙、
また逢えるかな?
やがて目が覚め現実に
瞼に残像影ゆれる、
身体も重く目を開ける
夢の記憶は薄れていった、
また会えるよね?
枕背にしてそう呟いた…
夢想人
あれから同じ夢は見ていない。