祈飢

桐原 水刃 作

媚びてくたばれ
安穏の宝
名無しの憎悪で空がひるがえる
玉転がしみたいな冗談では
なにも気がつけなくて泣いている
奴隷の永遠だけれど信じて
つねに蘇るそれは自分なのだと

火を取り戻すことに夢中で
五分と五分の水気を喪う
選ばれたカエルの合唱をかき消せ
どうせクソみたいなモノクロのなかで
誰かに撮られた笑わない僕をみろよ

待ちわびたものを回避して
線を引きながら逃げている
奴隷にだけ許されたドレミファソラシド
君は変わらずに立ち尽くしている
いなくなった者のうつくしさになにも言えずに

すべての孤独を捧げたくなったんだ
なだらかな永遠を瞳に携えるために

祈飢

祈飢

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-07-10

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