実相

嗄鳥鳴夏

嫌な過去から距離をとって
決して誰にも見つからない様な森の中 中指を立てた
汚れた真実を疑うたびに それは
確信的な疑問になって挙句の果てに偽りになった

無意味であることに意味がある
そう君が教えてくれた時 僕は馬鹿だった
人生とは何だろう
そう君が話を持ちかけた時 僕は耳を塞いだ
そうして時間が経ち
答えは何だろうと思った時
君はもう 何処にも居なかった

自ら人生を棒に振って
屈して誰かに助けを求めたい様な夜の中 手首を切った
愚かな友人を噂するたびに それが
決定的な証拠になって挙句の果てには真実になった

無表情でいることで訴えた
そう君が守ってくれた時 僕は安心した
人間とは何だろう
そう君が話を持ちかけた時 僕は黙り俯いた
そのまま時間が経ち
僕とは何だろうと思った時
君はもう 何処にも居なかった

実相

実相

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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