毒苺

きいてる きいてる
きいてる きいて
疎外音を、きいてた
外音を、殺した
ちぎった 契って
鈍色から赤銅へ
拍動はカーキ色 脈動は君が見たい
君の きみの キミの 貴女の
憂いげな瞳孔が きいてた
衝動を、きいてた
きいてるときにヘタな奴がさ
奴がさ
いつから出てきたか知らないけど
邪魔しないでくれるかな
わたし達は一心同体だなんて
云うつもりはないけど
互いに手繰り寄せたことばを
そっと重ね合わせるとき
鼓動が滾る音がきこえるんだ

わたしを臆病扱いした貴方達は
濁った顔の集まりだった
フツウになれなかった
なる気もなかった
なったところで何かを為せる自信もなかった
ねぇ 何様のつもり?
蹴られ絞められた体たらく
詞だけ ことば コトバ こと、ば
きかせて
きいてよ
きかせて
きかせて
我儘だけど
きいてよ

毒苺

毒苺

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-07

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