After school

下校班での帰り道

統率とれない下校班長

今は廃れた病院横

数段の瓦礫で構成されていた

副班長が猿のようによじ登り

他の班員もそれに倣う

呆れた顔した班長が

最後にやってきた

平均台のように千鳥足でバランスをとり

行き止まりのところで飛びおりる

二、三メートル?約四メートル?

そこが帰路での道草ナンバーワンだった

帰路というより

合流再集合がわりの空き地だった

宿題をしたり

ラグビーボールが飛び交ったり

積極的じゃない僕はそれを瓦礫に凭れ掛かり見ていた

グループみたいな 派閥みたいな

今思えば班というのは便宜上のかたまりで

放課後同好会みたいな雰囲気だった

嫌いじゃなかった

なにも害を加えられることはなかった

高学年になると班は自然消滅して

ひとりで帰る班員が増えた

僕の向かいに住んでいる大きな図体の彼と

宿題を外で終わらした後に彼の家でゲームをするのが毎週月曜日のたのしみだった

本心が出るのは三人未満からだ

本音を打ち明けられるのは顔対顔だ

ひとりでいるのも嫌いじゃない

ふたりでいるほうが寧ろ好きだけれど

ふたりでいると他人とは違う別の世界を歩いている感覚に浸ることができるから

できるとそう思ってるから

信じてるから

卒業する前に伝えられなかったことばだ

After school

After school

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-02

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