After school
下校班での帰り道
統率とれない下校班長
今は廃れた病院横
数段の瓦礫で構成されていた
副班長が猿のようによじ登り
他の班員もそれに倣う
呆れた顔した班長が
最後にやってきた
平均台のように千鳥足でバランスをとり
行き止まりのところで飛びおりる
二、三メートル?約四メートル?
そこが帰路での道草ナンバーワンだった
帰路というより
合流再集合がわりの空き地だった
宿題をしたり
ラグビーボールが飛び交ったり
積極的じゃない僕はそれを瓦礫に凭れ掛かり見ていた
グループみたいな 派閥みたいな
今思えば班というのは便宜上のかたまりで
放課後同好会みたいな雰囲気だった
嫌いじゃなかった
なにも害を加えられることはなかった
高学年になると班は自然消滅して
ひとりで帰る班員が増えた
僕の向かいに住んでいる大きな図体の彼と
宿題を外で終わらした後に彼の家でゲームをするのが毎週月曜日のたのしみだった
本心が出るのは三人未満からだ
本音を打ち明けられるのは顔対顔だ
ひとりでいるのも嫌いじゃない
ふたりでいるほうが寧ろ好きだけれど
ふたりでいると他人とは違う別の世界を歩いている感覚に浸ることができるから
できるとそう思ってるから
信じてるから
卒業する前に伝えられなかったことばだ
After school