Iの不在
雨の夜はうるさくて
人の気配の消えるのが寂しくて
窓外に更けていく夜の密度は上ずる
ぽつりぽつりと吐き出す声を
投げ返してくれる無口な土壁も
そばにいない誰かの代わりにはならず
ただ何かが欲しいから
ライブカメラを映した画面を背にしながら
指先でバレエを演じる
雨も声も音も
心の空白を埋めることはできず
そもそも心がどこにあるのかさえも知らないけれど
情報の奔流の片隅に言葉を放流する
Iの不在
雨の夜はうるさくて
人の気配の消えるのが寂しくて
窓外に更けていく夜の密度は上ずる
ぽつりぽつりと吐き出す声を
投げ返してくれる無口な土壁も
そばにいない誰かの代わりにはならず
ただ何かが欲しいから
ライブカメラを映した画面を背にしながら
指先でバレエを演じる
雨も声も音も
心の空白を埋めることはできず
そもそも心がどこにあるのかさえも知らないけれど
情報の奔流の片隅に言葉を放流する
Iの不在