底の底迄

渡逢 遥

とわのいのちを手に入れられたなら

使いように困るのか

無理に使う必要はないし

無駄に配る必要もない

この情愛が 状態が

崩れて壊れゆくのなら

わたしはさいごになにをのこそう

あなたとはじめて逢えたとき

昂る音を抑えたよ 前方不注意 交差点

停め 留め 泊め とどめ 富める術なく這いずる乙女

透明なものには裏がある

不透明なものには裏道がある

ことばなんていらないよ

ことばのない手紙を墓前に散りばめた

とわのいのちを手に入れられたなら

わたしは覚めるまで寝てるだろう

おやすみ 先生

底の底迄

底の底迄

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-25

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