第8話−24

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 ジュヴィラ人の攻撃艦隊は、宇宙空間を歪めた。各方面軍は一個艦隊が1500京隻で構成され、小型駆逐艦でも全長が500キロを超えていた。

 光年単位の大きさの機械の塊が、あまりの重さに空間に重力の歪みを生じさせながら、移動していたのである。

 軍艦の中には数千兆の巨大機械生命体が、戦意の光に包まれ、仲間すらも殺そうとするかのように、ギラギラとしていた。

 宇宙全域にハイパードライブを駆使して進軍したジェフフェ人軍は、星系規模で呑み込み、各種族文化圏を侵略した。

 戦争の原因はいつの時代も利益と権益にある。

 圧倒的な数の軍隊に破れた種族は、機械の巨人たちの奴隷とされ、資源、財産、イデオロギーは散々に踏みにじられた。

 他の種族が喰われていく中、水の民にも脅威は迫りきた。

 ボバハ星系第4惑星ヒフホに避難したジェフフェ族を追うように、機械の巨大艦隊500億隻が宇宙空間の重力を歪めながら、まるで水の中をタンカー船が進むが如く、周辺の星間物質を破壊しながら迫っていた。

 ティーフェ族は汎用生物ターミナズ400億を星系の外縁部、小惑星帯に配置して星系を上下左右全方位からの攻撃に備えた。

 ターミナズの群れは七色に光、大海を漂うクラゲの群れそのままだった。

 研究室に籠もって銀色の箱のデータを脳内で解析していたビザンに対しても、シェルターへ避難するように彼らの言葉でボムハ、兵士が促しに来たが彼はそれよりもこの謎を解くこと、研究者として成果を出すことしか脳内にはなく、避難勧告からもずっと研究室に籠もっていた。

 そうだ、父の研究記録になにかあるかもしれない。

 なぜ気づかなかった、と自分に激怒しつつ、父親が病気になり記憶が砂のように溢れる前に記録した記憶を、泡にしか見えないが彼らの種族の外部記憶媒体、避難するときに持ってきた荷物を包む水の球体からそれを手に取り、軽く口づけした。

第8話ー25へ続く

第8話−24

第8話−24

  • 小説
  • 掌編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-25

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