桜の季節、君の心

__俺、本当に死ぬの…?

□side



桜が咲き始め、春がもうすぐ始まる頃

俺は病室のベッドで空を眺めていた。




□「…俺、本当に死ぬの…?」




俺の余命はあと1ヶ月。


手術をしても滅多に治らない難病らしい。

身体はこんなにピンピンしているし
今も元気過ぎて逆に怖いくらいなのに。


でも医者が言うには1ヶ月後の
4月15日に俺は死ぬみたいだ。




○「………死なねぇ…よ…。大丈夫…だから…。」




先生に話を聞いてきたのであろう俺の恋人が
目を真っ赤にして入ってきた


俺に涙を見せない為に堪えてきてくれたのだろう。




□「…ごめんな。しげに辛い思いさせて。」


○「…何言ってんだ…?辛い思いなんかしてない。
  病気は小山のせいじゃない。それに………」


□「…それに…?」


○「…とにかく俺の事はいいから…
  …元気出して!ほら!エクレアあるぞ!!」



今何か言いかけたよな…?…気になるけど。


しげに限ってこんな無理矢理感丸出しな言い方、
普段はしないし、余計悲しくなり涙が出てきた。




□「っ…… 本当に…ごめんな………」


○「おい… 泣くなよ…… エクレア食べろよ…」


□「…どんだけエクレア食わせたいんだよ…」




俺が泣くとしげも俺と同じ悲しみで泣いている。
そんな些細な事がなぜかとてもとても嬉しくて。



…でもこれも来月までだ。



来月になったらこの嬉しさは一気に消えてなくなる


そんな事ばかり考えていた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈






次回へ続きます… 短くてごめんなさい…

桜の季節、君の心

桜の季節、君の心

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-24

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted