6月の短歌(2019年)
色彩のない田崎つくると僕たちと海と空との青さの相似
はらわたのひとつひとつに意味があり無意味な日々を生かされている
遠雷は遠く聞こえてああここはひとりぼっちの亡国なのな
けどおれの遺言なんて興味ないだろうしだからクッキー買うね
おじさんとテトリスしよう?順序よくこの世界から消えてしまおう?
いついかなるときもただしいおこないの積み重ねができると思うなと吐き出すように夜のしじまが張り裂けていく
タピオカが流行ってるとは言ったけどみそ汁にする奴があるかよ
まほろばが動詞であったあの夏の名残りとしてのこれはまほろび
アフリカで子どもが秒で死ぬあいだ死にかけのおれも助けてくれよ
さまざまなものを飲みこみにゃーというときのわたしのいじらしさよな
パン粉ってメモしてあってでもべつにパン粉を切らしてはいないこと
一瞬の風になれって簡単に言うけどなってどうすんのよさ
おちんちん、それは宿命づけられた破滅に向かう僕らの宇宙
6月の短歌(2019年)