老人とスケッチブック

渡逢 遥

見慣れた景色に見慣れた手相

両脚が啼いたら心臓に時間を融かそう

孕めども孕めども孕めども孕めども

孕めども孕めども孕めども孕めども

あらはさなければいたづらなり

イロを欠いた大きめのキャンバスは

死の旋律を奏でていたんだ

描かむとす 描かむとすれども 選べども 燃ゆる記憶に 掻き暗さむとす

閑静な無人遊歩道に中絶の残滓がまたひとつ

みるのがいやならおおいかくせ

老人とスケッチブック

老人とスケッチブック

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-24

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