【声劇台本 女3】ここはホストクラブ(嘘)

メイロラ

「ここはホストクラブ(嘘)」

■キャスト

葵(女)
レイ(女)
お客(女) ※台詞少なめ



※※※

(ハンバーガーショップの更衣室)

葵:あーあ……(ため息)

レイ:ええと、今日は、シェイクのクーポン券が出てるのと、お子様セットのおもちゃが期間限定のやつに変わってるから気をつけてね。

葵:なんでだよぉ……

レイ:相変わらずバイトの人数ギリギリだよね。先月2人辞められたの痛いわ。まあしょうがないよね。葵はレジね。ドライブスルーは私やるけど、手が空いたらキッチンの方を……

葵:もうーレイちゃん! 僕ショックでそれどころじゃないんだよ!

レイ:しょうがないでしょ。バイトなんだから。ほら、もうすぐ入る時間だよ、落ち込んでないで着替えて。

葵:どうして悩んでいるのか聞いてあげようって気はないの? 友達でしょ?

レイ:聞かなくてもわかるって、どうせホストの面接に落ちたんでしょ? 

葵:え、なんでわかるの?

レイ:いや、だって、葵は一応女の子なんだから、ホストクラブの面接に受かるわけないじゃない。そもそも受けるのがどうかしてるって話で。

葵:だって、だって! ホストになりたかったんだもん! 女の子はべらして、イチャコラしたかったんだもん。なんでダメなんだよー、そこらの男より僕の方がぜったいイケメンなのに! 毎日筋トレしているのに! 僕が何人痴漢を病院送りにしたと思ってるんだ!

レイ:いや、それ過剰防衛(かじょうぼうえい)だから。……まあ、痴漢は社会のゴミだからいいか。とにかくさっさと支度(したく)してよ、あなたはホストじゃなくて、ハンバーガーショップの店員なの。

葵:僕がやりたいのはハンバーガーショップの店員じゃなくてホストなんだもん……まてよ、うちの店にも女の子のお客さんは来るな……

レイ:……ん? ちょっと、葵? なんか、またろくでもないこと考えてない?

葵:よし、いくよレイちゃん!

レイ:え、ちょっとまって、いつの間に着替えたの!? 待ちなさいよ!

(店内へ)

葵:いらっしゃませ、ようこそハンバーガーショップ「ミスドナルド」へ。当店のご利用は初めてですか?

お客:は、はい……

レイ:いや、初めてかどうか聞く必要ある? もしもし、葵? 何を始めたの?

葵:僕はホストの……じゃなかった、店員の葵と申します。これどうぞ、よかったらメールしてね。

お客:は、はあ、ありがとうございます。

レイ:え、ちょっとその名刺どっから出した? いらないでしょ! そりゃ、ホストクラブでは新規のお客様に名刺渡すって聞くけども!

葵:今日は、僕に会いに来てくれたの? なんてね。

お客:え、そんな……学校帰りにちょっとお腹、すいて……。

葵:赤くなっちゃってかわいーな。どうしよ、帰したくなくなっちゃうかも。

レイ:いや、帰せよ。回転率が命よ、ファーストフードなんだからここ。

葵:なーんてね、わかってる注文だよね? なにが食べたい? 君のために、僕がなんでも作ってあげる。

お客:じゃ、チーズバーガー、お願いします。

葵:チーズバーガーね、それだけでいいの? 我慢して痩せた君より、お腹いっぱい食べて笑っている君が僕は見たいな。

レイ:は? なに言ってるの、そんなの通用するわけないでしょ。

お客:……じゃあセットにしちゃおうかな、なんて。

レイ:いや、客もおかしいだろ! 天然か? 天然なのか?

葵:ありがと、チーズバーガーのセットだね。飲み物はなんにする?

お客:じゃあ、コーラ、お願います。

葵:ストローひとつでいい? ふたついるかな? なんてね、冗談だよ。持って帰る? それとも、ここで食べていく? ……僕としてはもうちょっと居て欲しいけどな。

お客:じゃ、じゃあ、店内、で……食べちゃおかな。

葵:ほんと? じゃあもう少し一緒にいられるね? この札を持って席で待っててくれる? 後で僕が行くから。

お客:は、はい! ま、待って、ます!

レイ:いや、できた商品持って行くだけでしょ。まさか席に着かないよね? 葵ちょっといい加減に(店長に声をかけられる)あ、はい! 店長お疲れさまです。え? いや、違うんです、これは葵が! え、ドライブスルーが激混み? すみません、すぐ行きます! ……って、なんで私が怒られるのよ!

葵:当たり前だよ、レイちゃんさっきから、ぶつぶつ言うばっかりで、何にも働いてないじゃん。

レイ:私のせいじゃないでしょー! 葵が変なこと始めるからー!

葵:しっかりしろよレイ。そんなんじゃいつまでも指名つかないぞ。

レイ:なんで先輩ホスト風なのよ! 私まで巻き込むなー! 指名とかそういう制度ないから! ここはハンバーガーショップだと何度言えば!!

葵:あ、また女の子のお客さんだ。いらっしゃいませ、ようこそハンバーガーショップ「ミスドナルド」へ。僕はホストの、じゃないかった店員の葵と申します。

レイ:普通にやれ~!


END

【声劇台本 女3】ここはホストクラブ(嘘)

【声劇台本 女3】ここはホストクラブ(嘘)

ホストになりたい葵ちゃんシリーズ③

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
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