sinngou

迫ってくる罪に
気付かぬ様知らん顔して生きる
友達や先生が
将来の話をするほど胸が苦しくなる
その度に耳を塞いで木陰に逃げたから
未だに十字架を背負っていた

過去に幾度と無く
優しいねと褒められた事があった
でも今になって
考えてみるとやはりあの僕は死んだ
今は所詮典型的な偽善者だから
どうせいつか誰かを見殺すんだ

もう空が暮れた
揺らめく月と目を合わせないように
この道を歩いた
誰かと肩と肩がぶつからないように
ぼんやり立ち尽くした
別に何も叶わなくてもいいからと
何度だって夢を見た
いつまでも君を忘れたくないから
夜遅くまで星を見た

外灯が点滅した
本当は今が幸せだと分からないような
悩める子羊だった
数年後に今が懐かしくなるような
ふとそんな気がした
特に意識はしなかったけれど
何度だって夢を見た
本当に一人寂しいときには
写真の中の君を見た

信号に気付けば何かが変わっていた
その何かをどうか教えて欲しかった
信号に気付けば誰かが幸せだった
その事をどうか覚えていて欲しかった

sinngou

sinngou

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-23

Copyrighted
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