多久さんの事件簿【哀しい男】33

Shino Nishikawa

多久さんの事件簿【哀しい男】33

ギジは悲しい男だったので、可哀想だった。

多久さんの事件簿【哀しい男編】
マロは、新聞を見た。多久は、国際試合のメンバーに選ばれない。
その代わり、胡散臭い男が選ばれていた。
キャプテンまで務めている。それは、夢のような出来事だった。

空気の魔法は、それでも笑っている。
空気の魔法は、人間の魂ではない。
その方は、誰かの魂が来る前からいらっしゃる神様である。
魂ではなく、魔法なのだ。

美しい空想を信じられなければ、この世は虚しいだけだ。
自分の家柄が気にいらなければ、自分自身で魔法の名字を考え、家紋をデザインすればいい。
そして、守り神を呼び寄せる。
黒猫、キツネ、狼、不死鳥、エンジェル、いろいろある。
この世界を楽しくするのは、自分自身だ。
どう過ごすか決めるのも自分だが、社会の秩序を崩さないようにした方がいい。


その男、ギジの家には、魔法があった。
父親がそれを信じていた。父親は良い男だったが、妻選びを間違えた。
ギジは、妻が娼夫と寝て、作った子供だったのだ。
それでも、妻は、良い男になるように、相手を選んだので、ギジの体はでかくなった。

だから、ギジは、成長すると、バスケの二次リーグのメンバーに選ばれた。
もっと上を狙えたが、友達の手前、そんな事をするわけにはいかなかった。

二十歳のギジは、将来を決めかねていた。
そんな時、ドラッグストアで、サリと出会う。
サリはおばさんのような二十歳で、少し変わっていた。
サリが話しかけてきたのだ。

サリは、19歳の時、母親を強く殴って殺していた。
それでも、母親の最後の愛をもらった。
『サリちゃん、絶対に、自分が殺したと、警察に言ったらダメだよ。』
サリは、涙をぬぐい、母親を布団に寝かせ、練炭をたいた。
母親はトイレをもらしたが、サリが拭いた。

『サリちゃんって、変わっているね。』
母親の声が聞こえたが、「うるさい、知っているよ、そんな事!」サリは怒鳴った。

でも、そんな事ができるのなら、サリは強い子だったのかもしれない。
衝動が、人生を狂わせる。だから、あまりしない方がいい。
それに、我慢を続けると、良い顔になると思う。


サリは、大きな魔法がもらえそうだった。
でも、サリが選んだ魔法は、ギジだった。
二十歳のギジは、これまで体験した事のない恋愛を経験して、サリに夢中になった。
バスケの試合を休んで、サリに会いに行ったときは、とんでもなく虚しく感じたが、サリを抱くしかなかった。でも、かなり泣けた。
『どうしたの?』
「なんでもない。」

ギジは、試合や練習を休んだが、それでも、クラブから声がかかった。
それは、ギジが、今まで、父親の事を我慢した良い男だったからだ。

でも、サリが妊娠してしまう。
最初は嘘かと思ったが、医者からも電話がきた。

ギジは泣き、サリと結婚する事を決めた。
信じられない事に、サリは2人目を生んだ。
ギジはバスケを辞め、事務をしたが、うまくいかなかった。
「ジムがいいかな?」
ギジがふざけて言うと、サリが首を振った。

でも、サリは未熟だった。
友達がいない事をさみしく思ったのだ。
ギジは将来のある良い男だったので、みんなから恨まれた。

ギジはまた、スポーツの世界に戻りたかった。
二児のパパとして、ゴルフの試合に出た時は、気分がよかった。
ギジは、ゴルフでも頭角を現し、テレビにも出たのだ。

でも、かつての仲間から、とがめられた。
二児の息子は、サッカーを習っていて、他の人によくなついている。
ギジは、いつか、殺そうと思った。
ギジ以外、全員が死ぬ交通事故がいい。

サリとの結婚は、親父が反対をした。
実の父親でない彼が嫌いだったので、言う事を聞けなかった。

ギジには、過去に、秘密があった。
だからこそ、魔法があったのかもしれない。
ギジは、高校の時、首をしめて、友人を殺していたのだ。
好きな女子の彼氏だった。
そして、掃除用具の棚に隠した。
それを、サリが目撃していたのだ。

サリは、ギジが去るまで隠れたが、狂ったギジが女子トイレまで探しに来た。
サリは、教室に戻り、男子生徒を確認し、証拠隠滅をした。

それでも、ギジは先生に呼ばれた時、ギジは狂っていて、なんとズボンとパンツを降ろしたのだ。そして、ギジは先生に張り倒された。
ギジが仲良くしていた女教師の前だったので、ギジは恥ずかしかった。
それでも、ギジは前を向き、バスケをやっていた。

だから、魔法があった。

ギジが、次男を死なせた。
寝ている次男の口を封じたのだ。
サリはそれを見抜き、ギジの高校時代の殺人について言った。

そして、サリは、母親を殺した事を言った。
「これで、私の首を絞めて、殺していいよ!!」
サリは、ギジに殺された。
そして、首吊りにされた。

それで、サリの罪はゼロになる‥。

ギジは、長男を養子に出し、バスケの世界に戻った。
長男は病気で死んだと聞いている‥。

殺人者の愚か者が、スターとして輝く。
それは、ある意味では、希望を与えるものだ。
だから、神様がやりたい事かもしれない。
ギジは、きっと天使なのだろう。


無罪潔癖こそが、本物の神の子だ。

しかし、天使には、いろいろな種類がある‥。

多久さんの事件簿【哀しい男】33

多久さんの事件簿【哀しい男】33

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