瑠璃色の硝子

進藤 海(K.Shindo) 作

瑠璃色の硝子

 いま目の前にあるのは瑠璃色の硝子
 静かな風景の中に映るかつての記憶

 いつも誰かに追われていた
 暗い夜を嫌って眠らない都会のネオンへ

 いつか誰かにならなきゃと焦っていた
 朝の光が怖くて駆けこんだ街のシアター

 できるだけひとりで生きてきた君に
 僕は必要なかったのかもしれない

 なるべくみんなを邪魔したくなかった僕に
 君は眩しすぎたのかもしれない

 疲れたの
 もういいの

 何で?
 どうして?

 そんな言葉すら もう口にしないよ
 あんな毎日すら 今は愛しいんだ


 君がもがいた足跡は
 何もできなかった僕の道しるべ

 僕がいるこの場所は
 瑠璃色の世界を映す硝子の欠片

瑠璃色の硝子

瑠璃色の硝子

硝子の欠片に映るのはココじゃない場所。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-15

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