多久さんの事件簿【皇子の全て】32

Shino Nishikawa 作

多久さんの事件簿【皇子の全て】32

五三は、ココと結婚すれば、一番良かったかもしれない。

多久さんの事件簿【皇子の全て】32
「このまま、次の話に行っちゃいましょう!!」
「そうだね。」
大ちゃんと多久は走った。

昭和後期、五三(いつみ)は、自分が皇子になる運命だと分かっていた。
呪いの儀式を見たが、自分が来ると、元通りに戻ったりした。
五三は、何度も、ゴミと笑われたが、前を向いて生きた。
いつの日か、皇子になって、世の中の苦しさを救いたかった。

皇室の記事を読むと、
「よっこいしょ。」の代わりに、「ちくしょ。」と言ってしまう。

「あははは、そんなに皇子になりたいんだ?」
その姿を見た、五三の乙女、ココは笑った。

五三は、ココを愛さねばならなかった。
五三にも、それが分かっていた。

それでも、五三が皇子になる日がくる。

ココにお別れを言いたかったが、出来なかった。
五三は、皇子になるために、一心不乱に勉強をした。

ココの事は忘れていた。

皇子となった五三が、結婚する日がくる。
ココのことは忘れていた。

神がどんなに問いかけても、答えられなかった。

ココは、皇子が結婚の記事を読んで、泣いた。
死のうと思った。

ココは、体を売ることを決めた。
声をかけてきたヤクザと一緒に、ホテルに入った。
最初は、上等なホテルで、ヤクザと上等な事をした。

何度か、そのヤクザと会い、最後にココは、ヤクザの部屋に行った。

五三は、ココが出来ない事をしていたし、会ってはいないものの、ココがしている事を赦していた。
さらに、見えないほど遠くから、ココに合図していた。
うまくいくようにだ。

五三は、美味しい料理を食べるたびに、ココにあげようと思い、紙に包んだ。
それを、部屋で食べればよかったのかもしれない。
しかし、ゴミ箱をココだと思い、捨てた。
ゴミ箱がココなら、キスをしたらよかったのかもしれない。
でも、五三は、しなかった。

ココは、吊るされて、刀で切られて死んだ。
裸のままのココを、刀は貫いた。

最後に想ったのは、五三の事だ。

五三は、毒死した。

「可哀想だったね。」
多久が言った。
「はい‥。すみません、僕が誘ってしまったばかりに。」
「いいんだ。」
多久と大ちゃんは、現社(現実社会)に帰ることにした。

多久さんの事件簿【皇子の全て】32

多久さんの事件簿【皇子の全て】32

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-14

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted