多久さんの事件簿【カコの秘密】31

Shino Nishikawa 作

多久さんの事件簿【カコの秘密】31

その場所の謎は、深い。

多久さんの事件簿【カコの秘密】31
多久と大ちゃんは、狂ったカコについて調べるために、派遣として、カコとジョンの働く工場に忍び込んだ。
2人は、番重の洗浄を行っている。
そのうちに、カコの宇宙に入り込んだ。

実はカコは、その工場の会長の娘だった。
同じ時期に生まれた、腹違いの姉がいる事を、カコが気づいているのかは知らない。
なんとも酷い話である。
カコの育ての両親は、大人になったカコの教育を放り出した。

カコの育て父親も、大学生の頃に、お金で、人を殺していた男だったので、似たのかもしれない。
あとは、呪いがかけられていた。

カコは、幼い頃から、「知らない部屋に連れて行かれる」と訴えた。
育ての両親は相手にしなかった。
空想とは別に、はっきりとした物が見えたり、聞こえる場合は、脳の異常かもしれないので、病院に行くべきだ。
カコは、治療をしなかった。

それなので、どんどんおかしくなった。
静かな場所や、夜は、不思議な部屋に迷い込んだ。
レンガの壁に挟まれた廊下を歩くと、たどり着く場所がある。
そこは別に綺麗ではない。
職場の休憩室のような感じだ。
親父が座っていたり、お姉さんがタバコを吸ったりしている。
カコだけの時もある。

その場所で、殺しの講義を受けたり、スパイの講義を受ける。
もしかしたら、カコに特別に用意された、スパイの魔法だったのかもしれない。
でも、カコは間違えた。

カコが殺人を繰り返すたび、部屋の様子は変わっていった。

主に、カコの殺人方法は、毒だ。
青酸カリと亜鉛とモルヒネと毒蜘蛛を調合する。
カコが死ななかった理由は、生きて償う必要があったからだ。


大ちゃんが言った。
「その部屋は、カコの病気のせいだけでなくて、霊界業者が用意している物でしょうか?」
「そうかもしれないね。」
多久が答えた。

犯罪者になりうる人間に用意された場所というのは、不可思議である。
その場所についての謎は、深い。

大きな鎌を持った、グレーのローブの神爺さんは、ため息をついた。
「これだけは、秘密だったのに‥。」


カッ、カッ、カッ
黒いブーツが、歩いている。
それは、漫画家の悌だった。

悌が初めて、この場所に足を踏み入れたのは、兄の亮を連れ戻すためだった。

「この部屋に来るのは、久しぶりだ。」
悌は言った。

神爺さんは、憤慨して、テーブルを拳で強く叩いた。

この場所についての謎は深く、私にはまだ分からない。

多久さんの事件簿【カコの秘密】31

多久さんの事件簿【カコの秘密】31

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-14

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