気になること

らぶらどーる

社会のフィードバック機能を失わせる考え方の流布

 社会ではいろいろなものが考え出され、行なわれる。
 それがもし、不評であれば、改善への試みや、そのこと自体の取りやめなどが行なわれることもある。これは、ある種のフィードバックである。

 おそらく1990年代ごろだったと記憶しているが、とある(おそらくはバラエティー系の)テレビ番組のプロデューサーがテレビに出演した際に、視聴者に向かって、こんなことを言っていた。
 細かな表現は覚えていないが、大枠としては、<番組への批判などが多くなると、皆さんが楽しみにしているその番組自体が打ち切りなどになって、見れなくなってしまうかも知れないんですよ>というようなこと。

 こういった言い方は、不評や批判によって自分自身やお仲間が関わっている番組が打ち切りになったり、方向転換を余儀なくされる事態になることを防ぐためのものであると推察されるのだが、視聴者の側がこのような発想を真に受けさせられてしまうと、社会としてのフィードバック機能は失われてしまう。

 また、このような発想に基づいて行動を規制されたありようというものは、やる側(=視聴者の側)にかなりのストレスとフラストレーションを生み出すものであるから、形を変えて、本来の批評・批判のありようよりも、さらに陰湿化することも考えられる。いわゆる裏アカ(裏アカウント)や陰口用の裏サイトといったものも、こういったことによる副産物かも知れない。

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社会のフィードバック機能を失わせる可能性があるのでは、と懸念される、1990年代ごろからの日本で流布されているように思う考え方。

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