聞こえないように、あたし
誰にも媚びないのは母譲り。ずいぶん損してきたかもしれない。
「米櫃を覗いて今日の朝ごはん」という一行でよい。本当は米櫃なんてないのだけど。冬、薄ら寒い。夏は夏で酷いもの。いいの、それでもわたしが選ぶ。
わたしのことでなくてもいい。わたしの詩の沸点。ピース缶爆弾。蓋だけ吹っ飛んだらいい。わたしではなく言葉。添加物には毒がある。
窓の射光は孤高だろうか? 渾身のネタを華麗にスルー。孤高の射光は窓の交錯に美しい。ならいいんじゃね?
いや、美しいなんて浅ましい。数独パズル。暇つぶしは賢明な穀潰し。あてはめるもの。空白があるから。いや、それもわたしらしくないな。
なにがしか恋愛感情。浅ましいどころか震えちゃう。だって、あたしがだよ。え、わたし、「あたし」だって。浅ましいよ、照れながら、わたしが、穀つぶしが、「あたし」。
聞こえないように、あたし。
媚びないあたし。
射光、きれいだな。
聞こえないように、あたし
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