僕の合わせ鏡 〜僕たちの黙読③〜

雲海 至

僕の合わせ鏡 〜僕たちの黙読③〜

僕が この手に 掴めるものはあるのか
僕が この胸に 傷んだものを 愛せるのか

差し出された手も 笑顔を作って誤魔化した
悟られないように 僕は いつも笑っていた
笑顔は良いことだって 誰かが言っていたけど
僕の知っている笑顔は とても苦しいものだった

泣いたら笑われるから 僕は笑うんだ
笑ってたら怒鳴られる 僕は心で泣いている

僕は この手に 掴みたいものはあるのか
僕は この胸に 抱きたい思いはあるのか

差し出された手の行方も そのまま通り過ぎた
優しい その手の主は どんな表情だったのだろう
振り返れば たくさんの優しさがあったのかもしれない
僕は傷を 恐れるばかり 誰かも傷つけていただろう

僕は痛みを 恐れるばかり 誰かの痛みに 気付けなかったのかもしれない

自分が傷つくこと 人にはしないと決めていても
自分が恐れてるものに 目を伏せていたのかもしれない

僕は この手を 差し伸べる 勇気あるのか
僕の この胸は 暖かさを宿すことはあるのか

僕は この手に 暖かさを求めているのか

僕の合わせ鏡 〜僕たちの黙読③〜

僕の合わせ鏡 〜僕たちの黙読③〜

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-12

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