The Winds of Nature: 2

黒うさぎ Black Rabbit

The Winds of Nature プロローグのパート2です。お読みいただきありがとうございます。中世ファンタジーの物語にしたいと思って書いております。良ければ次回のパートもお読みください。お待ちしております。

第一話: https://slib.net/92197
第三話: https://slib.net/92516

プロローグ: 疾風

 それから数日後。
 その日も、二人での鍛錬を終えて家に帰ってきた俺たちは、夕飯の準備をしていた。
 お袋はいないので、いつも男二人で飯を作っている。毎日が男の料理だった。
「……親父、今日の料理は何?」
「シチューだ。早く食べたいか?」
「またシチューか……」
「まあ、贅沢言うな。 ……母さんがいれば、もっと旨い手料理を食わせてやれるんだが……」
 そう言った親父の顔には少し陰りが見えた。 ……俺はそれに、少し早口で、返答をする。
「毎日シチューでもいいよ、別に。それより早く……食べよう」
 男二人は揃ってビーフシチューの入ったお椀と木匙を持ち、ほぼ同時に向かい合って席に着いた。スプーンを持ち、シチューを掬って食べる。ごろごろと、粗雑な形で大きく切られたじゃがいもや人参などが口の中を埋め尽くす。
「母さんのと比べると、やっぱりちょっと出来が悪いな……」
「……でも、まずくはないよ」
 ちょくちょくお袋のことに触れながら、親子で会話する。よく分からないが、これが親子水入らずの時間というやつなのか? 普段はあまり実感しないのだが、今日はお袋のことを思ったせいか、余計にそう思えてきた。
「今度の農閑期、久しぶりにアーアンサイズに行ってみるか? 俺も昔の同僚と友人に会いに行かないといけないし」
「アーアンサイズか……行くとしたら二年ぶりだな」
 アーアンサイズとは……それはこの国最大の市街であり、首都である。多くの人がいつどんな時でも行き交い、活気に溢れている。前回行った際は、右も左も分からずに年齢(とし)十六にして危うく迷子になるところだった。今度行くときは、そんなことはないだろうが。
「分かった、行こう。また騎士兵舎とか練兵場とか見せてもらえるんだろう? それだったら行くよ」
「大きな街を見ることはいいことだ。自分が世間知らずにならずに済むからな。だが、エイドル、お前ももう十八だ、そろそろ一人だけで首都に行ってみるのもいいかもしれないぞ。まあ、次は俺と一緒に行くことにするけれどな」
「分かってるよ」
 騎士になるためには、自立した一人の男にならなければならない。いつまでも親父に頼っていないで、一人で行動するということも大切だということは分かっている。だが、それにはまだ準備が必要だ。今はその時ではない。
「さあて、農閑期までは仕事を手伝ってもらうぞ。小麦の刈り取り、運搬、出荷。この村で学べることは農業だ。騎士になるためには関係ないかもしれないが、決して悪い経験ではないだろうからな」
 俺より先にシチューを食べ終わった親父は、ぽんと、流し台にあった水桶に、お椀と木匙を軽く投げ入れた。

The Winds of Nature: 2

お読みいただきありがとうございます。下から見ている人もこんにちは。中世ファンタジーの物語にしたいと思って書いております。良ければ次回のパートもお読みください。お待ちしております。

The Winds of Nature: 2

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