I miss you

鴨ことは 作

本編

はあ⋯⋯。と、出て消えていく白い吐息。闇の中で、私はただ黎明を待っている。
布団に入ってからなんだか眠れなくて、少し歩こうかな、と家を出た。怒られるからひっそりと。

今日、というかもう昨日となった日は、彼とのデートだった。
とても楽しくて、浮かれて、柄にもなくはしゃいだ。買いたい物も買えて、食べたい物も食べられて、行きたいところにも行けた。彼もすごく楽しそうにしていた。嬉しくて、たまらなく大好きだな、と思えて、幸せだった。
一生終わらない幸せがあればいいのに、なんて思った。

それでも、楽しい時間は終わる。

家に帰れば、お父さんも、お母さんも、妹だっている。美味しいご飯も暖かいお風呂も、寝心地の良いベットだってある。それは大切な幸せだ。かけがえのないものだ。
それなのに、私の心はなんだか鈍くなってしまったようで、楽しい後ではなんだか色あせて感じていた。胸にポッカリと穴が開いている。今の私には物足りないと言っている。

「明日もまた会えるよ」と、彼は言う。「楽しみだね」と私は返す。
でも、だけど、私はもっと一緒にいたい。ずっと、ずっと一緒の時間を過ごしたい。こんな画面越しなんかじゃなくて、直接あなたと話したい⋯⋯。

空はだんだん明るくなってくる。日が出る時間は早くなったものだな、と少し感慨深くなった。
学校に行けば会える。その数時間が待ち遠しい。早く時間よ経て。
はあ⋯⋯。と、また白い吐息が漏れ、消えた。

──あなたに会えなくて、私は寂しいです。

I miss you

I miss you

恋い焦がれる少女の掌編小説(700文字未満)

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-10

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