ハジメ・ミライ

椎葉あきら 作

ハジメ・ミライ

僕が俯いているあいだに‬
‪テレビは大きくて重い箱型から‬
‪今にも割れそうに高慢な薄型へ‬
‪記憶喪失がちな据置型ゲーム機は‬
‪輪を作る子供達が其々持つ携帯型へ‬
ゲームが犯罪者の脳を染めるのだと
嬉々として報道する像を切り替え
血飛沫と刃物が主役の映画のDVDを
黙ってデッキに喰わせた

数年前に別れた恋人から届いた
真っ白な感情を載せたメッセージ
‪三和音の着信メロディは‬
‪今や無かった物のような扱い‬
‪携帯電話の画面は随分大きくなり‬
‪其処からの得られる情報に‬
‪色が付くと誰が予想しただろう‬

けれど二十一世紀を豊かに描いた
昔の漫画家の夢は誰も叶えられず
空中を自在に飛ぶものなんて
鳥と飛行機とシャボン玉と
僕が二階から投げた花瓶くらいだ

諸行無常、盛者必衰
其れは家電量販店を見るだけで
明らかなる言葉であり
ハジメからミライへ繋がる路は
地続きで、飛び石で
如何ともしがたい僕の憂鬱は
抱えた今現在を始点と仮定して
ハジメからミライへ
ミライからオワリへ
いつか消え去るのだろうか
いつか死にゆくのだろうか

ハジメ・ミライ

ハジメ・ミライ

ハジメからミライへ、 ミライからオワリへ。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-08

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