雨ふれる

ㅤㅤㅤ一

雨がバタバタ鳴っている。
傘の向こうで鳴っている。

ㅤㅤㅤ(今日も世界の何処かでは
ㅤㅤㅤペスト混じりの雨が降る)

雨はバタバタ鳴っている。
人はバタバタ死んでいる。

  (ペスト混じりの雨が降り
  毒麦ばかり実を結ぶ)

雨に触れれば、雲につながる。
世界につながる天につながる。

この指先で、何を祈ろう?

ㅤㅤㅤ二

私の祈りは天を突き、
波となって世界を巡る。

私の祈りは波となり、
雨とともに花降らす。

私の祈りは花降らせ、
地に満つれども……。

ㅤㅤㅤ三

雨のように降りしきる、
私の想いも命のように、
どこから来てまたどこへ行くのか?
雨はバタバタ鳴っている。
人はバタバタ死んでいる。
……………………。

自律・増殖が命なら、
この想念こそ命なれ。

ㅤㅤㅤ四

我ガ想念ハ止ミヌ
雨ト共ニ止ミヌ
祈リハ雨後ノ筍トナリ
篁竹トナツテ鏘然タリ

雨ふれる

雨ふれる

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-08

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