lucid narco

ぴあの
しんせ
かおす

現実に似た夢の中 重力が強い部屋に居る
またもベッドから降りようと 右腕を上げるが跳ね返される
左腕も同様

僕は私に自らの頬を殴らせてしまった
眠気眼 隙間から漏れた光は雨空の夕焼け
隣の部屋には自らの父親と兄の喋り声
僕は私に呆気をとられて欠伸をした

さっきより強い重力の中 やっと寝返りをうてた途端
冷たいベッドから数億の 銀色の凶器が飛び出してくる
無言で動揺

さっきまで居た布団の中 何故か暗い部屋が明るい
今度はベッドから降りると 強制的にやり直しをさせられる
何回も同様

僕は私に自らの皮膚を齧らせてしまった
明晰夢 電波が射した時刻は AM 2:00
我輩の部屋に鳴る自らの睡眠作業用BGM
僕は私に寝惚けながらボケと言った

現実に似た記憶の中 鐘が鳴り季節は移る
ああ折角だから喋ろうと 声をかけるが無視をされる
現実と同様

さっきより薄い幻想の中 無理やり腕を引っ張った瞬間
青色の空と底から数兆の 赤褐色の血が噴き出してくる
心拍が上昇

僕は私に自らの嫌な夢を見せてしまった
蜃気楼 未だ何も終わらない机上の空論
そもそも何が何故如何してこうなったか等
既にどうでも良く再び夢見がちに二度寝をした

lucid narco

たまに来るのやめてほしい

lucid narco

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-05

Copyrighted
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