まもってあげたい(そして、永遠にわたしだけのものにしたい)

 先生のこと、メスゴリラって、陰で呼んでるやつらを見て、ほくそ笑んでるの、わたし。
 だって、先生が、メスゴリラって、それは、背が高くて、肩幅が広くて、声が大きくて、すぐに怒るから、ちょっと怖い、体育の先生、という理由だけで、ほんとうは、ちがうのよ、先生は。それは、学校での先生で、つまり、うわべだけの先生で、わたしが知っている、真の先生は、身長が縮む方法をネットで調べて、夜更かしとかしているし、身長が低く見えるコーディネートを勉強して、学校では、ほとんどジャージだけれど、外ではふわふわした、可愛らしい洋服を着ているし、騒々しいところだと、きこえないくらい声小さいし、恥ずかしがると、もじもじするし、頬を染めて、わたしのことを、見下ろしてくるし、(ああああ~くっそ~かわいい~)って、なるの。我ながら、ちょろいと思います。
 あと、先生は、やわらかいよ?
 ま、ゴリラにさわったことは、もちろんないけれど、でも、イメージ的には、筋肉隆々な感じ、なので、先生は、女の人にしては背が高いし、肩幅もあるけれど、でも、腕とか、ほっぺとか、やわらかいから。二の腕とか、適度な弾力で、ずっと触ってたいと思ったし、そのときの先生、やめてよぉ、とか、顔赤くして、めちゃめちゃ可愛かったし。先生の可愛いところは、たくさんあって、わたしが、化粧をしているところを見て、ほえぇぇぇってなってるのとか、くそ可愛いから。先生だってお化粧くらいしてるでしょ、と云えば、先生は、
「でも、わたし、ファンデーション塗ってるくらいだし、あ、お休みの日は、アイシャドウとか、マスカラもするけど、そんな、あなたみたいに、きれいにできないし、まつ毛、長くて羨ましい」
とかなんとか、照れくさそうにするものだから、ああ~もう~ってなるわたしの気持ち、誰かわかって?
 いや、やっぱり、わからなくていい。
 とりあえず、先生の可愛さと、素顔については、わたしだけがわかっていればいいので。
 チョコレートケーキを食べるときの顔とか、もう、ね。嬉しそうにしちゃって、最高かよ。

まもってあげたい(そして、永遠にわたしだけのものにしたい)

まもってあげたい(そして、永遠にわたしだけのものにしたい)

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-02

CC BY-NC-ND
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