多久さんの事件簿【人喰い鬼】

Shino Nishikawa 作

多久さんの事件簿【人喰い鬼】

だから、ジョンは大変だった。

多久さんの事件簿【人喰い鬼】30
『可愛い可愛い芽衣子ちゃん‥。』
太った男は、モデルをしている芽衣子をストーカーしていた。
芽衣子はまだ警察に通報していなかった。

夜、芽衣子が一人で道を歩くと、
「可愛い、可愛いなぁ、おい!!」
太った男、ゲンが叫んだので、芽衣子は強気で睨み返した。
芽衣子は、姉の順子を亡くしたばかりだったので、疲れ切っていた。

『お姉ちゃんがいれば‥。』
芽衣子は夜道で、一人で泣いた。
芽衣子の運命の男が支えたが、今はそんな事はどうでもよかった。


多久と大ちゃんとマロと天氏がカフェで過ごしていると、旧友のジョンが一人で来たので、多久が声をかけると、ジョンは席を移動してしまった。
「一体どうしたんでしょう?」
大ちゃんが心配そうに見た。

「多久、さっそく調べてくれ。」
マロが言った。


ジョンは、古いが、歴史のある工場で働いている。
海外から、研修生をたくさん入れているが、工場が汚いので、そんなにはよくなかった。
会長の感覚が、あまりにも、麻痺していた。
本当は、良い男を雇った方がよかったが、やり方が分からなかった。
海外からの研修生が多いので、女性はオバサン社員と派遣とパートで充分なのに、それも分かっていなかった。

ジョンの部署に、芽衣子のストーカーをしていたゲンと、鉄郎がいる。
鉄郎は、ジョンのお金について、監視していた。
ジョンだけではなく、ジョンの家族の資産についても調べたので、ジョンはやりきれなかった。
他の社員のお金についても監視したので、みんな気をつかって、お金を使ったりした。

ゲンはすごく太っていて、時々、工場の物を盗み食いした。

芽衣子はあの後すぐに、毒をもられて母親と共に殺された。
でも、犯人はゲンではなく、ジョンの工場の女性社員カコだ。
カコは、芽衣子の姉、順子を殺していた。
警察はカコが犯人という証拠をつかめなかったが、芽衣子が、カコが犯人だと見抜いていた。

カコは口封じをするために、郵便ポストやドアノブに青酸カリを塗ったのだ。
ちょうど、母親が元気を出すために、高級デパートで良いお菓子を買ってきていた。
芽衣子は手を洗わずに食べたので、意識を失ってしまった。
母親は、毒だと見抜いて、芽衣子のお菓子を食べたが、死ねなかった。
母親は部屋中をかけまわり、トイレをすました後、ドアノブに触れ、亡くなった。

2人とも、順子と同じ場所に行きたかった。
3人の骨は、身内のないスターが入る墓に入れられた。
だから、墓荒らしをされる心配はなかったが、生前の順子の血液から作った薬を、みんなから嫌われ者の池江リカコが持っていて、ずっと飲んでいたのが、赦せなかった。

それでも、3人は、墓荒らしはされていない‥。けれども、墓荒らしをされる事がある。
私にも前世があるが、私の骨は墓荒らしに合い、全てを喰われた。
最近でも、前世の私の骨を採取した女を目の当たりにしたので、寒気がした。

ゲンは、芽衣子が死んだことが分からなかったが、芽衣子をストーカーした理由は、以前、臭いという理由で風俗嬢に断られて、モデルをしていた芽衣子と仲良くすれば、自分の格が上がると思ったからだ。

ゲンは、可愛い女の子を殺し、鍋にして喰った。
圧力鍋で煮ると、ほとんど喰えるらしい。
頭まで‥。さすがに太い骨は、ゴミ箱に捨てた。

ゲンは、誰かに手伝ってもらってやったように感じたが、完全に一人だった。
でも、手伝ってもらったのなら、それは誰だろう?
詳しい事はまだ分からないが、世の中には霊がいて、その人の信念を気に入れば、手伝ってもらえるらしい。
しかし、人殺しの信念など、クソだ。
でも、もしかしたら、ゲンの祖父も同じ事をしていたのかもしれない。
だから、手伝ってくれたのは、きっと、ゲンの祖父の霊だ。

また、ジョンの工場には、男2人と女1人のグループも存在している。
その女、モモは、父親と性的関係にあった。
モモにどんな秘密があるのか、よく分からないが、異常な感じがする‥。
多分、よくない思想の持ち主なのかもしれない。
あとは、天国や神様について、よく知っていて、それを後で、金儲けにするという計画を、男2人に話したのかもしれない。
殺される心配があるので、ビビッているのかもしれない。

そういうわけで、ジョンは大変だった。

「ジョン、大丈夫かな‥。」
マロが言い、みんなうなだれた。

多久さんの事件簿【人喰い鬼】

多久さんの事件簿【人喰い鬼】

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-06-01

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