I am happy?6





 腰が重く感じた朝。




 カーテンのすきまから透けた光が眩しくて、目をくらませた。



 変わらない朝のはずだった。





 変わろう。


 私、変わったよ。





 ねぇ先生。








 「せん…?」





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 先に行く
 食べてけよ
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 湯気のたったホットケーキがテーブルにあった。


 
 重量感たっぷりのオシャレなはちみつの瓶がおいてあった。







 景色は、色づいていた。




 鮮やかで、眩しい。





 

 「はよーっす。」




 「おはよう。」





 前の席は空いていた。



 アマミは必ず、私よりもずっと早くに来ているはずなのに。





 私は携帯を開いた。



 そして、メール受信ボックスが空だったことに、不安を感じた。






 焦りで手に汗が混じった。



 


 *********
toアマミ
fromヒメノ
********
いまどこ?
 今日休むの?
 ********





 

 私は落ち着こうとして、イスに座った。




 



 言葉にもしたくない不安が、心に巣をつくり、蝕んでいった。



 
 
 時計の針はどんどん進む。









 1時間目終わりのころに、ガラッと後ろの扉が開いた。






 「アマミ!」




 社会科Ⅱの先生が声を上げた。





  
 
 私が振り向くときには、もうすでにクラス中がざわついていた。



 襲いかけていた眠気が一気に飛んだ。







 「うっす。」





 こっちを見て右手を上げた。




 顔のあちらこちらに、できてすぐの生々しい傷が出来ていた。
 



 
 ガーゼじゃ覆えないほどの傷を作っていた。


 手の拳には、包帯が巻かれていた。







 「さーせーん、遅れましたー。」





 「アマミ…。」




 「…っ! あーいてー。」






 「どうした。何かあったか。」



 クラス中のざわつきが大きくなっていく。






 「なんもないっすよ。ってか、どーぞ続けて。授業中でしょ?」





 「まぁ…そうなんだが…。」






 一瞬顔を曇らせた後、ツカツカと黒板のほうへと歩を進めた。






 「ねぇ、アマミ…昨日、電話出れな…。」




 「…なんでもねーよ。つか、そんな顔すんな。」






 ポンと優しく、頭に手を乗せた時のアマミの顔。








 そんな顔、しないでよ──────。

I am happy?6

I am happy?6

  • 小説
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  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-17

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